前回の配信から「配信対象セグメント」を変更していないにもかかわらず、「配信失敗数」が『○倍』に増えた原因を知りたい

『iCloudメールサーバーの迷惑メールの判定基準』が変更された可能性があります

前回の配信から「配信対象セグメント」を変更していないにもかかわらず、「配信失敗数」が『○倍』に増えた場合、『iCloudメールサーバーの迷惑メールの判定基準』が変更された可能性があります

例えば、「配信失敗数」が『約5~10倍』に達するほど増加した場合に、『iCloudメールサーバーの迷惑メールの判定基準』が変更されたことが原因に該当するかどうかを判断する際は、以下の2つの条件を満たしているか確認してください。
※『約5~10倍』は一例です。「配信失敗数」が5倍以下や、10倍以上になっていた場合も、以下の条件に合致しているか、ご確認ください

❶ 配信実績一覧画面における「配信失敗数」が前回配信と比較して
 『約5~10倍』に増えている
❷ 配信失敗となっているメールアドレスのドメインが、
  前回の配信と比較して『icloud.com』『me.com』『mac.com』の割合が大きく増加している

❶と❷のそれぞれの条件を満たしているかの確認方法

❶の確認方法➋の確認方法

❶の条件に該当しているかを確認するためには、配信実績一覧画面における「配信失敗数」を前回配信と比較してください。
配信実績一覧画面における「配信失敗数」を前回配信と比較し、『約5~10倍』に増えている場合、❶の条件に該当しています。

配信実績一覧画面における「配信失敗数」を前回配信と比較する手順については、下記をご参照ください。

配信実績一覧画面における「配信失敗数」を前回配信と比較する手順

下記では、配信実績一覧画面における「配信失敗数」を前回配信と比較する手順を説明します。

メール/MA」をクリックします

メールを配信する」をクリックします

配信実績」をクリックします

「配信失敗数」が『約5~10倍』に増えた配信実績の「プルダウン」をクリックします

「配信失敗数」を前回配信と比較します

❷の条件に該当しているかを確認するためには、メールアドレスのドメインの割合を比較してください。
具体的には、「配信失敗数」が急激に増えた配信の直前の配信と、「配信失敗数」が急激に増えた配信のメールアドレスのドメインの割合を比較してください。
メールアドレスのドメインの割合を比較し、『icloud.com』『me.com』『mac.com』の割合が大きく増加している場合、❷の条件に該当しています。

「配信失敗数」が急激に増えた配信の直前の配信と、「配信失敗数」が急激に増えた配信のメールアドレスのドメインの割合を比較するためには、大きく分けて3つの手順があります。

❶「メール行動ログデータ」を加工して、
 「配信失敗数」が急激に増えた配信と直前の配信の2つのデータを作成する
❷ ❶で作成した2つのデータをローカル環境にダウンロードする
❸ ❷でローカル環境にダウンロードしたデータを同じExcelシートに並べ、
  割合を出して比較する

それぞれの手順については、下記をご参照ください。

❶「メール行動ログデータ」を加工して、「配信失敗数」が急激に増えた配信と直前の配信の2つのデータを作成する

はじめに、「メール行動ログデータ」を加工します。メールアドレスのドメインの割合を比較するために、「配信失敗数」が急激に増えた配信の直前の配信と、「配信失敗数」が急激に増えた配信の、2つのデータを作成してください。
具体的には、下記のような手順で作成します。

❶「配信日時」カラムを”「配信失敗数」が急激に増えた配信日”で絞り込む
❷「行動タイプ」カラムを『mail_failed(配信失敗)』で絞り込む
❸「メールアドレス」カラムを『@』で2分割する
➍「施策ID」カラムを配信した施策のIDで絞り込む
❺ ❸で分割した「ドメイン(@より後ろ)」をカウントする

以下では、「配信失敗数」が急激に増えた日の「配信失敗」(mail_failed)となったメールアドレスのドメインをカウントしたデータを作成する手順を説明しています。作成したデータを保存したら、同様の手順で「配信失敗数」が急激に増えた配信の直前の配信のデータも作成してください。

データパレット」をクリックします

データを確認する」をクリックします

メール行動ログデータ」をクリックします

加工する」をクリックします

❶「配信日時」カラムを
”「配信失敗数」が急激に増えた配信日”で絞り込む
絞込み」をクリックします

配信日時」カラムをクリックします

”「配信失敗数」が急激に増えた配信日”に絞り込まれるように条件を入力し、「適用」をクリックします

❷「行動タイプ」カラムを
『mail_failed(配信失敗)』で絞り込む
行動タイプ」カラムをクリックします

条件を入力して、「適用」をクリックします

【条件】:「次に完全一致」「mail_failed」

適用」をクリックします

❸「メールアドレス」カラムを『@』で2分割する
分割」をクリックします

メールアドレス」カラムをクリックします

「条件」を入力し、「適用」をクリックします

【条件】:「@」/「右」/「2」

分割されたことを確認し、カラム名を任意の名称に変更します

➍「施策ID」カラムを配信した施策のIDで絞り込む
絞込み」をクリックします

施策ID」をクリックします

条件を入力して、「適用」をクリックします

【条件】:「次に完全一致」「382」

適用」をクリックします

❺ ➍で分割した「ドメイン(@より後ろ)」を
カウントする
集約」をクリックします

ドメイン」カラムをクリックします

適用」をクリックします

ドメイン」カラムをクリックします

集約方法として「カウント」を選択し、「適用」をクリックします

ドメインごとに「配信失敗数」をカウントした結果を確認します


作成したデータは、こちらの記載の手順に沿って保存してください。
データを保存後、上記と同様の手順で「配信失敗数」が急激に増えた配信の直前の配信のデータも作成してください。
❷ ❶で作成した2つのデータをローカル環境にダウンロードする

次に、❶で作成した”「配信失敗数」が急激に増えた配信”と”前回の配信”2つのデータをローカル環境にダウンロードします。

データをローカル環境にダウンロードする手順については、「ローカル環境へデータを出力したい」の『❷ ローカル環境にデータを出力する』をご参照ください。

❸ ❷でローカル環境にダウンロードしたデータを同じExcelシートに並べ、割合を出して比較する

最後に、配信失敗となったメールアドレスのドメインごとの割合を比較します。❷でローカル環境にダウンロードしたデータを同じExcelシートに並べ、割合を出して比較します。

❷でローカル環境にダウンロードしたデータを、同じExcelシートに並べます

カウント数の合計を入力します

今回は「SUM関数」を使用して合計を出しています。
メールアドレスごとの割合を入力します

今回は「=「ドメインごとのカウント結果」/「カウント結果の合計」*100」を使用して割合を出しています。
前回の配信と比較して、『icloud.com』『me.com』『mac.com』の割合が大きく増加しているか確認します

❶と❷の条件を確認した後の対応

❶と❷の条件を確認した後の対応は、それぞれの条件を満たしているかによって異なります。
詳細は、下記をご参照ください。

❶と❷のどちらも満たしている

❶と❷のどちらの条件も満たしている場合、『iCloudメールサーバーの迷惑メールの判定基準』が変更されたことが原因として考えられます。

『iCloudメールサーバーの迷惑メールの判定基準』が変更されたことが原因の場合、配信失敗を解消する方法はありません
また、判定基準が変更される日程についても公表されていないため、あらかじめ判定基準が変更される日にメール配信をしないようにすることもできません。

『iCloudメールサーバーの迷惑メールの判定基準』についてはこちらをご参照ください

❶もしくは❷のどちらか一方は満たしている、
または❶と❷のどちらも満たしていない

❶もしくは❷のどちらか一方は満たしている場合、または❶と❷のどちらも満たしていない場合、『iCloudメールサーバーの迷惑メールの判定基準』が変更されたこととは、他の要因が考えられます。
例えば、「送信先のメールボックスの容量が不足している」や「送信先のメールサーバが停止している」ことなどです。

『iCloudメールサーバーの迷惑メールの判定基準』について

iCloudメールサーバーは、他のメールサーバーと比較して迷惑メールの判定基準が厳密に設定されており、定期的に判定基準が変更されます。iCloudメールサーバーで迷惑メールの判定基準が変更された日にb→dashからメールを配信すると、iCloudメールサーバーがメールの受信を拒否し、メールの配信が失敗してしまう傾向があります。

なお、iCloudメールサーバーの具体的な迷惑メールの判定基準や、判定基準が変更される日程については、公表されていません。
また、迷惑メールの判定は、単純に差出人名や件名に特定の文字を含むといった条件ではなく、Fromドメインのレピュテーションやコンテンツの内容、またはそれらを複合的に判断している可能性があります。

また、『iCloudメールサーバーの迷惑メールの判定基準』に加えて、「Appleのローカルポリシー」に違反した場合も、メールの配信が失敗してしまいます。詳細については、Appleサポートの「iCloud メールの postmaster 情報」(外部サイト)をご参照ください。