ITPの影響を知りたい

ITPとは

ITPとは「Intelligent Tracking Prevention」の略で、Apple社のwebブラウザである「Safari」に実装されていることで知られている、ユーザー行動の追跡や分析といったトラッキングを制限する技術です。

具体的には、Cookie情報をリセットすることで、トラッキングを制限しており、「Safari」以外の多くのwebブラウザでは最大2年間としているCookieの有効期限が、「Safari」の場合では7日間(※)に設定されています。これにより、web広告の配信や、webアクセスデータの集計に影響が出ると言われています。

※2019年3月に発表された「ITP2.1」では、1st party cookie の有効期限は「7日間」に設定されています

※ITPはあくまでも「Safari」に限定した仕組みであるため、ChromeやEdgeなどSafari以外のwebブラウザには関係がありません

b→dashにおけるITPの影響

webサイトの「訪問数」や「ユーザー数」への影響

webサイトの訪問数やユーザー数を測定する際に、数字が大きくなってしまうことが想定されます。

b→dashでは、ワンタグを設置しているwebサイトにユーザーがアクセスした際、「ビジターID」と「セッションID」を発行の上、Cookieに保存し、その「ビジターID」や「セッションID」と共に、ページ名やページタイトルなどの項目をwebアクセスログデータに記録しています。そして、そのwebアクセスログデータにおける「ビジターID」を集計することでユーザー数、「セッションID」を集計することで訪問数といった値を算出する仕組みになっています。

そのため、ITPの適用によって、Cookieに保存している「ビジターID」や「セッションID」が書き換わってしまうため、同じユーザーがwebサイトにアクセスした場合でも別のユーザーやセッションであるとみなされてしまい、結果的に数字が大きくなってしまいます。

「アトリビューション測定」への影響

webサイト上でコンバージョンを実施した際に、コンバージョンにつながったサイトへの流入経路だけではなく、コンバージョンにつながらなかった流入経路も測定する「アトリビューション」という考え方がありますが、ITPが適用されることでアトリビューションが正しく測定できなくなることがあります。

コンバージョンにつながったサイト流入と、コンバージョンにつながらなかったサイト流入について「同じユーザーの流入であることの判断」はCookie情報に基づいて実施されているため、ITP適用によりこのCookie情報が削除/更新されてしまうと、複数のサイト流入を同じユーザーであると判断することができなくなってしまうことが理由です。

「web接客の配信ターゲット」への影響

web接客はwebアクセスログデータの「ビジターID」をもとに配信されるため、ITP適用によりCookieに保存されている「ビジターID」が削除/更新されてしまうと、web接客の配信対象が想定と異なってしまう可能性があります。

例えば、「0001」というビジターIDを持つ顧客Aさんに対して、web接客の配信設定をしたものの、ITP適用によりAさんのビジターIDが「0002」に変更されていた場合は、Aさんにweb接客配信がされなくなってしまいます。