複数の権限設定を行った際にどの権限が反映されるかを知りたい

本記事について

b→dashでは権限設定機能を用いることで、アプリやコンテンツなどに対するユーザーの操作を制限することができます。
権限付与の対象は「アプリ権限」「フォルダ権限」「個別権限」の3つの階層があり、それぞれに対して操作制限の強い順に「閲覧不可」「閲覧可」「編集可」という権限を付与することができます。

本記事では、複数の対象に強弱の異なる権限の設定を行った場合に、どのように権限が反映されるのかについて説明します。

権限設定の方法については「権限設定をしたい」をご参照ください。

権限付与対象の関係性

権限付与の対象は、階層が上から順に「アプリ権限」「フォルダ権限」「個別権限」となります。上位の権限が下位の権限より操作制限が強い場合、上位の権限が下位の権限に反映されます。一方で、下位の権限が上位の権限より操作制限が強い場合、上位の権限は反映されず、下位に設定された権限のままとなります。

個別権限の関係性

権限付与の対象「アプリ権限」「フォルダ権限」「個別権限」の3つの階層の個別権限」内において、設定した権限がどのように反映されるのかについて紹介します
以下では、「参照元と参照先の関係性」や「個別権限の設定例」について説明します。

❶ 参照元と参照先の関係性

「参照元データ」と「参照先データ」について

データには「参照元データ」と「参照先データ」があります。「参照元データ」とは、加工や統合、セグメント作成を行った際に使用したデータファイルを指します。「参照先データ」とは、加工や統合、セグメント作成を行った際の成果物であるデータファイルを指します。

【参考:「参照元データ」と「参照先データ」のデータファイル】

❷ 個別権限の設定例

「参照元データ」もしくは「参照先データ」に、それぞれ強弱の異なる個別権限が設定されている場合、参照先データに対して反映される権限が異なります。以下ではアプリ権限が『編集可』の上で、「参照先データ」「参照元データ」の権限を3つの場合に分けて説明します。

❶ 参照元データ『閲覧不可』、参照先データ『設定なし』の場合

参照元データが『閲覧不可』、参照先データが『設定なし』の場合のみ、参照先データの権限に参照元データが反映され『閲覧不可』となります

❷ 参照元データ『閲覧可』、参照先データ『設定なし』の場合

参照元データが『閲覧不可』以外、参照先データが『設定なし』の場合、参照先データの属するアプリ権限が適用されます。そのため、適用される権限は『編集可』となります。

➌ 参照元データ、参照先データに権限が設定されてる場合

参照先データに権限が設定されている場合、参照先データの権限がそのまま適用されます
そのため、参照元データが『閲覧不可』、参照先データが『編集可』の場合、参照先データに適用される権限は『編集可』となります。

権限設定の例

権限設定において、複数の対象に強弱の異なる制限を行った場合どの権限が反映されるのかについてユースケースを用いて説明します。権限設定を行う際は、以下をご参照ください。

設定例 ❶

【アプリ権限】  web接客:『編集可』
【フォルダ権限】 フォルダ①:『閲覧不可』
【個別権限】   コンテンツA:『編集可』

下記の設定例の場合、「コンテンツA」は『閲覧不可』のフォルダ①内にあるため、「コンテンツA」に反映される権限は『閲覧不可』となります

フォルダ内にフォルダを作成し、権限を設定した場合も「設定例 ①」と同様の結果となります。
例えば「フォルダ ①」内に、フォルダ権限『閲覧可』の「フォルダ ②」を作成した場合、「フォルダ ②」は『閲覧不可』となります。
設定例 ❷

【アプリ権限】  web接客:『閲覧可』
【フォルダ権限】 フォルダ①:『編集可』
【個別権限】   コンテンツA:『編集可』

フォルダ①とコンテンツAは、権限が『閲覧可』のweb接客アプリ内にあるので、フォルダ①とコンテンツAの権限は『閲覧可』となります

設定例 ❸

【アプリ権限】  web接客:『閲覧可』
【フォルダ権限】 フォルダ①:『閲覧不可』
【個別権限】   コンテンツA:『編集可』

コンテンツAは、『閲覧可』のweb接客アプリ内の『閲覧不可』のフォルダ①内にあるが、制限の強い『閲覧不可』が反映されるためコンテンツAに反映される権限は『閲覧不可』となります

設定例 ❹

【アプリ権限】 データパレット:『編集可』
         セグメント:『編集可』
【個別権限】  顧客データ:『閲覧不可』
         セグメントA:『権限設定なし』

参照元データとなる顧客データの権限が『閲覧不可』なので、セグメントAに反映される権限は『閲覧不可』となります

設定例 ❺

【アプリ権限】 データパレット:『編集可』
         セグメント:『編集可』
【個別権限】  顧客データ:『閲覧可』
         セグメントA:『権限設定なし』

参照元データの顧客データの権限が『閲覧可』、参照先データのセグメントAが『権限設定なし』なので、セグメントAに反映される権限はセグメントAの属するアプリ権限の『編集可』となります

設定例 ❻

【アプリ権限】 データパレット:『編集可』
         セグメント:『編集可』
【個別権限】  顧客データ:『閲覧不可』
         セグメントA:『編集可』

参照先データに権限が設定されている場合、参照先データの権限がそのまま反映されるためセグメントAは『編集可』となります

設定例 ➐

【アプリ権限】 データパレット:『編集可』
         セグメント:『編集可』
【個別権限】  顧客データ:『閲覧不可』
         受注データ:『権限設定なし』
         統合データ:『権限設定なし』
         セグメントA:『権限設定なし』

統合データの参照元データにあたる顧客データの権限が『閲覧不可』、統合データの権限が「権限設定なし」のため、統合データに反映される権限は『閲覧不可』となります。セグメントAの参照元データにあたる統合データの権限が『閲覧不可』、セグメントAの権限が「権限設定なし」のため、セグメントAに反映される権限は『閲覧不可』となります

設定例 ❽

【アプリ権限】 データパレット:『編集可』
         セグメント:『編集可』
【個別権限】  顧客データ:『閲覧不可』
         受注データ:『権限設定なし』
         統合データ:『権限設定なし』
         セグメントA:『編集可』

参照先データのセグメントAに権限「編集可」が設定されているため、セグメントAに反映される権限は「編集可」のままとなります

設定例 ❾

【アプリ権限】 データパレット:「編集可」
         セグメント:「編集可」
【個別権限】  顧客データ:「閲覧不可」
         受注データ:「設定なし」
         統合データ:「編集可」
         セグメント:「設定なし」

参照元データの統合データの権限が「編集可」、参照先データのセグメントの権限が「設定なし」の場合、参照先データの属するアプリ権限が適用されるため、セグメントの属するアプリ権限の「編集可」となります

設定例 ➓

【アプリ権限】 データパレット:「閲覧不可」
         セグメント:「編集可」

セグメントアプリではデータパレット内のデータファイルを参照元データとして使用して、セグメントデータを作成します。データパレットアプリが『閲覧不可』の場合、参照元として使用するデータファイルがすべて『閲覧不可』になるため、セグメントの新規作成/編集が不可となります

設定例 ⓫

【アプリ権限】 データパレット:「閲覧不可」
         セグメント:「編集可」
【個別権限】  顧客データ:「権限設定なし」
         セグメントA:「権限設定なし」

セグメントAの参照元データとなる顧客データは、権限が『閲覧不可』のデータパレットアプリ内にあるので顧客データの権限も『閲覧不可』となります。参照元データの顧客データが『閲覧不可』なので、参照先データのセグメントAの権限は『閲覧不可』となります